2026年のオフ、フィラデルフィア・76ersは大きく姿を変えた。
ボストン・セルティックスからジェイレン・ブラウンを獲得し、さらにレブロン・ジェームズも加入。
タイリース・マキシー、VJ・エッジコム、ジョエル・エンビードを含めると、先発には得点力、突破力、サイズ、経験を備えた選手が並ぶ。
名前だけを見れば、優勝候補と呼んでもおかしくない。
しかし、このチームを考えるとき、最後は同じ疑問へ戻ってくる。
ジョエル・エンビードは、健康な状態でプレーオフを迎えられるのか。
全員が健康なら、NBA優勝まである。
一方で、主力にけが人が出れば、プレーオフ1回戦で敗退しても不思議ではない。
今回は、2026-27シーズンの76ersについて、選手の役割、強みと不安、順位、プレーオフでの可能性を考えてみたい。
※この記事は2026年8月10日時点で確認できた情報をもとにしています。
2025-26シーズンは東7位からカンファレンス準決勝へ
2025-26シーズンの76ersは、レギュラーシーズンを東地区7位で終えた。
プレーオフでは、1回戦でボストン・セルティックスを破り、カンファレンス準決勝へ進出。
しかし、ニューヨーク・ニックスを相手に敗退した。
エンビードはシーズン中から複数のけがに苦しみ、プレーオフ直前には虫垂炎による手術も受けた。
主力がそろって戦える時間は限られていた。
それでもセルティックスを破ったことを考えると、健康な選手がそろったときの上限は低くなかった。
今季は、そこにレブロンとジェイレン・ブラウンが加わる。
期待が大きくなるのは当然だと思う。
ポール・ジョージとの交換でジェイレン・ブラウンを獲得
76ersは、ポール・ジョージと複数のドラフト指名権をセルティックスへ送り、ジェイレン・ブラウンを獲得した。
ブラウンは、自分で得点を作れるだけでなく、ボールを持たない時間にも動ける。
相手の主力ウイングを守りながら速攻では先頭を走り、ハーフコートでは1対1から得点できる。
マキシーやエンビードと一緒にプレーすることを考えても、攻守で強度を出せるブラウンの加入は大きい。
ただし、ブラウンもボールを持って力を発揮する選手だ。
マキシー、レブロン、エンビードとの役割分担が曖昧になれば、豪華な選手が並んでいるだけのチームになる可能性もある。
41歳のレブロンに、すべてを任せる必要はない
レブロンは、2025-26シーズン終了後にレイカーズを離れ、76ersへ加入した。
41歳となる選手に、82試合すべてでチームを背負わせることは現実的ではない。
しかし、現在の76ersでは、レブロンが毎試合主役になる必要もない。
マキシーがボールを運び、ブラウンが得点を作り、エッジコムが走り、エンビードがインサイドで相手を引きつけられる。
レブロンには試合全体を支配するより、必要な時間帯にゲームを整理する役割を任せられる。
誰にボールを預けるのか。
どの相手を狙うのか。
試合終盤に、どの形で攻めるのか。
こうした判断ができるレブロンが加わる意味は大きい。
一方で、41歳という年齢による衰えや欠場の可能性は避けられない。
76ersはレブロンに頼るのではなく、重要な場面までレブロンの力を残せるチームを作る必要がある。
レギュラーシーズンの主役はマキシーでよい
自分は、レギュラーシーズンの攻撃を動かす中心は、マキシーでよいと思う。
マキシーのスピードは、エンビード中心の遅い攻撃とは違う形を作れる。
速攻で一気に攻める。
ピック&ロールから自分で得点する。
守備が下がれば、外からシュートを打つ。
エンビードへ毎回ボールを集めなくても、マキシーなら攻撃の入り口を作れる。
今季はマキシーだけでなく、レブロン、ブラウン、エッジコムもいる。
エンビードが休む試合でも、別の形で勝ちにいける。
これは単に選手層が厚くなったというだけではない。
エンビードを無理に出場させなくてもよい環境ができた、ということでもある。
VJ・エッジコムの成長も止めたくない
VJ・エッジコムは、2025年のドラフト全体3位で76ersに加入した。
ルーキーシーズンから運動能力と得点力を見せ、プレーオフでも重要な経験を積んだ。
ただし今季は、レブロンとブラウンが加入したことで、ボールを持つ機会が減る可能性がある。
短期的な優勝だけを考えれば、経験豊富な選手へ役割を集める方法もある。
しかし、エッジコムの成長を止めれば、76ersの将来は再びエンビードやレブロンの健康状態に左右される。
守備、速攻、カット、キャッチ&シュートから役割を作りながら、自分で攻撃を動かす時間も残したい。
ベテランを加えながら若手も成長させられるか。
ここはニック・ナースHCの仕事になる。
エンビードは主役ではなく、最大の切り札でよい
健康なエンビードが、リーグでも特に止めることが難しい選手であることに変わりはない。
インサイドではサイズと技術があり、ミドルレンジからも得点できる。
相手がダブルチームを送れば、味方のシュート機会も生まれる。
守備でも、ゴール下にエンビードがいるだけで相手の攻め方を変えられる。
ただ、自分は今季の76ersでは、エンビードを常に攻撃の主役にしなくてもよいと思っている。
エンビードへ毎回ボールを預ければ、ポストでの接触やダブルチームを受ける回数が増える。
オフェンスだけでなく、守備、リバウンド、スクリーンでも大きな身体を使い続けなければならない。
マキシーを中心に走る試合があってもよい。
ブラウンの1対1を使う試合があってもよい。
レブロンがゲームを組み立てる時間があってもよい。
相手のサイズが小さいときだけ、エンビードを徹底的に使うこともできる。
チームが複数の攻撃パターンを持つことは、単に勝ち方を増やすだけではない。
エンビードにすべてを背負わせず、プレーオフまで健康に残す方法にもなるかもしれない。
主役から外すことは、重要度を下げることではない。
必要な場面で、最も強い仕事を任せる。
エンビードは最大の切り札でよいと思う。
控えにも得点を作れる選手がいる
76ersは先発だけのチームでもない。
アンファニー・サイモンズは、ベンチから自分でシュートを作れる。
ディーン・ウェイドはサイズとアウトサイドシュートを持ち、複数のフロントコート選手と組み合わせやすい。
アデム・ボナ、ドミニック・バーロウ、ジャバリ・ウォーカー、ジョニー・ブルームなど、若いフロントコートもいる。
特にエンビードやレブロンを休ませる試合で、サイモンズや若手が得点を補えるかどうかは、レギュラーシーズンの順位にも影響する。
攻撃力はリーグ最高クラスになれる
76ersには、得点を作る方法が多い。
- マキシーのスピード
- レブロンのゲームメーク
- ブラウンの1対1
- エッジコムの運動能力
- エンビードのインサイド
- サイモンズのアウトサイドシュート
一つの形を止められても、別の選手から攻撃を始められる。
プレーオフでは同じ相手と何度も対戦するため、一つの得意パターンだけで勝ち続けるのは難しい。
その点では、今季の76ersはシリーズ中に攻撃の中心を変えられる。
全員が健康で役割を受け入れれば、攻撃力はリーグ最高クラスまで上がる可能性がある。
守備は強いが、エンビードへの依存も残る
ブラウンとエッジコムは、相手のウイングやガードへ強い圧力をかけられる。
レブロンも出場時間と役割を管理できれば、重要な場面ではサイズと判断力を生かせる。
しかし、ゴール下の守備はエンビードの状態に左右される。
エンビードが動ける状態なら、外側の守備も積極的にプレーできる。
反対に動きが悪ければ、相手はピック&ロールや速い展開からエンビードを狙ってくる。
控えセンターがプレーオフでどこまで通用するかも、現時点では分からない。
76ersの守備には高い上限がある。
ただし、その中心もエンビードである。
2026-27シーズンは東地区4位と予想
自分は、76ersを東地区4位と予想する。
戦力の上限だけを見れば、東地区1位でもおかしくない。
しかし、レブロンは41歳で、エンビードには長い負傷歴がある。
ブラウンを含めて主力の役割も大きく変わり、開幕直後から完成されたチームになるとは限らない。
また76ersは、レギュラーシーズンの順位を上げるために、エンビードやレブロンを無理に出場させる必要もない。
東地区1位予想のマイアミ・ヒート、2位予想のクリーブランド・キャバリアーズ、3位予想のニューヨーク・ニックスよりも健康管理を優先すると考え、4位とした。
現時点での東地区予想は、次のとおり。
- マイアミ・ヒート
- クリーブランド・キャバリアーズ
- ニューヨーク・ニックス
- フィラデルフィア・76ers
- ボストン・セルティックス
- デトロイト・ピストンズ
プレーオフは優勝から1回戦敗退まであり得る
76ersほど、健康状態によって結果が変わるチームは少ない。
全員が健康なら、NBA優勝まである。
マキシー、ブラウン、レブロン、エンビードを同時に止めるのは難しい。
エッジコムやサイモンズまで機能すれば、相手は守備の狙いを一つに絞れない。
レブロンとブラウンには優勝経験があり、ニック・ナースHCにも優勝経験がある。
接戦を勝ち切るための経験も十分にある。
しかし、エンビードが欠場すれば、ゴール下の攻守が変わる。
レブロンが動けなければ、試合終盤の判断力が落ちる。
マキシーやブラウンにけが人が出れば、せっかく増えた攻撃の選択肢も減ってしまう。
全員がそろえば優勝候補。
主力を欠けば1回戦敗退。
総合評価82点という数字には、この大きな振れ幅も含まれている。
76ersの2026-27開幕前評価

| 評価項目 | 点数 |
|---|---|
| 攻撃力 | 19/20 |
| 守備力 | 17/20 |
| 選手層 | 18/20 |
| リバウンド | 15/20 |
| 継続性・完成度 | 13/20 |
| 総合評価 | 82/100 |
攻撃力:19点
ボールを持って得点やチャンスを作れる選手が多い。役割分担が機能すれば、相手に合わせて攻撃の中心を変えられる。
守備力:17点
ブラウン、エッジコム、エンビードを中心に高い守備力を期待できる。一方で、レブロンの年齢とエンビードの健康状態には不安が残る。
選手層:18点
先発だけでなく、サイモンズや若手にも役割がある。主力の欠場をある程度補えるが、エンビードと同じ役割を担える選手はいない。
リバウンド:15点
エンビードが出場している時間はサイズを確保できる。しかし、欠場時や小さいラインナップでは相手に主導権を握られる可能性がある。
継続性・完成度:13点
主力が大きく入れ替わり、誰を中心に攻撃を作るかも変わる。個々の能力は高いが、チームとして完成するまでには時間が必要だと思う。
まとめ|可能性を現実に変える条件は、やはり健康
今季の76ersには、優勝できる戦力がある。
マキシー、ブラウン、レブロン、エッジコム、エンビード。
攻撃の作り方は一つではなく、控えにも得点を補える選手がいる。
エンビードが欠場しただけで、レギュラーシーズンのすべてが崩れるチームでもない。
だからこそ、今季はエンビードにすべてを背負わせる必要はないと思う。
レギュラーシーズンを複数の形で戦い、エンビードとレブロンの負担を抑える。
順位よりも、プレーオフに主力を残すことを優先する。
その形を作ることができれば、76ersは本当に優勝を狙える。
一方で、主力にけが人が出れば、1回戦敗退もあり得る。
戦力はある。
経験もある。
若さもある。
最後に必要なのは、重要な選手が重要な時期にコートへ立っていることだ。
2026-27シーズンの76ersは、東地区4位と予想する。
ただし、プレーオフの結果は順位以上に健康状態へ左右される。
エンビードを健康なままプレーオフへ運べるか。
それが、このチームの可能性を現実に変える最大の条件だと思う。


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