2025-26シーズンのマイアミ・ヒートは、43勝39敗で東地区10位だった。
平均120.9得点はリーグ2位。平均46.3リバウンドは同4位、平均29.0アシストも同5位と、数字だけを見れば弱いチームではない。
それでも、プレーインでシャーロット・ホーネッツに126―127で敗れ、プレーオフへ進むことはできなかった。
そのヒートが、2026年のオフに大きく動いた。
ミルウォーキー・バックスから、ヤニス・アデトクンボとボビー・ポーティスを獲得。
バックスへ渡したのは、タイラー・ヘロ、ハイメ・ハケスJr.、ケルエル・ウェア、カスパラス・ヤクチョニス、複数のドラフト指名権などだった。
未来の資産と若手を大量に手放してでも、今すぐ優勝を狙う。
ヒートの考えは、かなり分かりやすい。
私は、2026-27シーズンのヒートを東地区1位と予想する。
ただし、ヤニスを獲得したから自動的に強くなるとは考えていない。
ヤニスとバム・アデバヨは攻撃でも共存できるのか。
ヘロを失ったあとのハーフコート攻撃は誰が作るのか。
そして、ヤニスは健康な状態でシーズンを戦えるのか。
今回は、新しくなったヒートの強さと不安の両方を考えてみたい。
※この記事は2026年8月11日時点で確認できた情報をもとにしています。
※順位やプレーオフ結果は私個人の予想です。
2025-26シーズンの成績
| 項目 | 成績 |
|---|---|
| レギュラーシーズン | 43勝39敗 |
| 東地区順位 | 10位 |
| 平均得点 | 120.9点 |
| 平均リバウンド | 46.3本 |
| 平均アシスト | 29.0本 |
| 平均失点 | 118.5点 |
| プレーオフ | 進出できず |
| 最終結果 | プレーインでホーネッツに126―127で敗退 |
昨季のヒートは、攻撃面では高い数字を残していた。
平均120.9得点はリーグ2位。平均29.0アシストも同5位で、一人の選手だけに頼らずボールを動かして得点する形は作れていた。
一方、平均失点は118.5点でリーグ22位。
ヒートには守備の強いイメージがあるが、昨季の数字を見る限り、チーム全体の守備が安定していたとはいえない。
平均得点と平均失点の差はプラス2.4点。
大きく負け越すチームではなかったが、接戦を確実に勝ち切れるほどの差もなかった。
その結果が43勝39敗と、プレーインでの1点差敗退だった。
ヤニス獲得で、勝負できる時間は限られた
ヒートはヤニスとポーティスを獲得するために、ヘロ、ハケス、ウェア、ヤクチョニスと複数のドラフト指名権を手放した。
ヤニスは昨季、負傷の影響で36試合の出場にとどまった。
それでも平均27.6得点、9.8リバウンド、5.4アシスト。フィールドゴール成功率は62.4%だった。
出場できれば、今でも一人で試合の流れを変えられる。
トランジションでボールを持てば、そのままリングまで走り切れる。ハーフコートでも複数の守備選手を引きつけ、味方のシュート機会を作れる。
得点だけでなく、リバウンド、アシスト、守備でも試合へ影響を与えられる。
昨季のヒートに足りなかった、相手の守備を一人で強制的に動かす選手が加わった。
ただし、ヤニスは2026-27シーズンで32歳になる。
ヒートは若手を残しながら長期的に強くなる道ではなく、ヤニスが高いレベルでプレーできる間に優勝を狙う道を選んだ。
大きな補強ではあるが、失敗してもやり直せる補強ではない。
今季から数年間が、このトレードの評価を決めることになる。
ヤニスとバムの守備は、リーグ最高クラスになれる
ヒート最大の強みは、ヤニスとバムを同時に使えることだと思う。
バムは昨季73試合に出場し、平均20.1得点、10.0リバウンド、3.2アシストを記録した。
リング周辺を守るだけでなく、外側まで動いてガードやウイングへ対応できる。
そこへヤニスが加わる。
二人ともサイズ、運動能力、守備範囲を持ち、リバウンドを取ったあとには自分でボールを運べる。
相手に合わせてマークを入れ替えることもできる。
さらに、アンドリュー・ウィギンズとダビオン・ミッチェルも相手の主力を守れる選手だ。
昨季は平均118.5点を失ったヒートだが、今季は守備を大きく改善できる可能性がある。
特にプレーオフでは、ヤニスとバムを中心に相手ごとに守り方を変えられる。
その守備を設計するのが、エリック・スポールストラHCである。
ヤニスとバムの身体能力を、スポールストラHCが戦術として組み立てる。
これが、現在のヒートを東1位に予想した最大の理由だ。
問題は、二人が攻撃でも共存できるか
守備では大きな強みになるヤニスとバムだが、攻撃では不安もある。
二人とも、外からのシュートだけで相手を引きつける選手ではない。
ヤニスがボールを持ってリングへ向かうとき、バムがペイント付近にいればスペースが狭くなる。
反対にバムがボールを持ったとき、ヤニスをどこへ配置するのかも考える必要がある。
バムがスクリーンをかけるのか。
ハイポストからパスを出すのか。
ヤニスをスクリーナーやカッターとして使うのか。
それとも、バムが昨季以上に3ポイントを打つのか。
二人をただ並べるだけでは、相手がペイントを固めやすくなる可能性がある。
ヤニスとバムの共存は、守備よりも攻撃の設計が重要になる。
強い選手を二人並べれば、必ず強いチームになるわけではない。
二人の長所を残しながら、コートを狭くしない形を作れるか。
ここがスポールストラHCの腕の見せどころになる。
ヘロを失った影響は小さくない
ヤニスを獲得するために、ヒートはヘロを手放した。
ヘロは昨季33試合の出場にとどまったが、平均20.5得点、4.8リバウンド、4.1アシストを記録している。
ヤニスと比べれば、選手としての影響力は違う。
それでも、自分でシュートを作り、外から得点できるガードを失った影響は小さくない。
昨季チーム最多の平均21.7得点を記録したノーマン・パウエルも、現時点ではヒートとの再契約が確認できていない。
現在の主なガードとウイングには、ダビオン・ミッチェル、ティム・ハーダウェイJr.、ドリュー・スミス、ペレ・ラーション、ウィギンズなどがいる。
ミッチェルは守備とゲームメイクで貢献できるが、大量得点を任せる選手ではない。
ハーダウェイJr.には外からの得点が期待されるが、攻撃全体を組み立てる司令塔とは役割が異なる。
ヤニスがベンチへ下がった時間に、誰が安定して得点を作るのか。
接戦の終盤に相手がペイントを固めたとき、誰が外から試合を決めるのか。
今季のヒートには、明確な課題として残っている。
ウィギンズの3ポイントが重要になる
ウィギンズは昨季68試合に出場し、平均15.4得点、4.8リバウンド、2.7アシストを記録した。
特に注目したいのは、3ポイント成功率41.4%だ。
ヤニスとバムを同時に起用する以上、周囲の選手には外からのシュートが必要になる。
ウィギンズが昨季と同じ水準で3ポイントを決められれば、相手は簡単にペイントだけを固められない。
守備では相手のウイングを担当し、攻撃ではヤニスの周囲からシュートを決める。
ウィギンズには、単純な平均得点以上に重要な役割がある。
ハーダウェイJr.、ニコラ・ヨビッチ、シモーネ・フォンテッキオなども同じだ。
ヒートの攻撃力は、ヤニスが何点取るかだけでは決まらない。
ヤニスが集めた守備を、周囲の選手が得点へ変えられるか。
今季のヒートでは、3ポイント成功率がチーム全体の完成度を測る数字になると思う。
ポーティス加入でフロントコートはさらに厚くなった
今回のトレードでは、ポーティスもヒートへ加わった。
ポーティスはスターではないが、ベンチから得点とリバウンドを加えられる。
ヤニスやバムを休ませながら、フロントコートの強度を保てることは大きい。
ヤニスとポーティスはバックスで長く一緒にプレーしているため、すべてを一から覚える必要もない。
一方で、ヤニス、バム、ポーティスを同時に並べると、攻撃のスペースが狭くなる可能性がある。
3人を無理に同時起用するより、ヤニスとバム、ヤニスとポーティス、バムとポーティスという形で時間を分けたほうが使いやすいかもしれない。
先発だけでなく、48分間をどの組み合わせで戦うか。
ポーティスの加入によって、スポールストラHCが選べる形は増えた。
予想されるローテーション
現時点では、次のような形が考えられる。
先発候補
- ダビオン・ミッチェル
- ティム・ハーダウェイJr.
- アンドリュー・ウィギンズ
- ヤニス・アデトクンボ
- バム・アデバヨ
主な控え候補
- ボビー・ポーティス
- ニコラ・ヨビッチ
- ドリュー・スミス
- ペレ・ラーション
- シモーネ・フォンテッキオ
- ライアン・コンウェル
これは確定した先発ではなく、現在のロースターから考えた予想である。
ハーダウェイJr.をベンチの得点役として使い、別の選手を先発へ入れる可能性もある。
また、ヤニスとバムを同時に休ませず、どちらか一人を常にコートへ残す形も考えられる。
重要なのは、先発5人の名前より、ヤニスがいない時間の攻撃をどう作るかだと思う。
ヒートの2026-27開幕前評価

| 評価項目 | 点数 |
|---|---|
| 攻撃力 | 18/20 |
| 守備力 | 20/20 |
| 選手層 | 17/20 |
| リバウンド | 19/20 |
| 継続性・完成度 | 16/20 |
| 総合評価 | 90/100 |
攻撃力は18点とした。
ヤニスという圧倒的な得点源が加わり、バム、ウィギンズ、ポーティスもいる。ただし、ヘロを失ったことでガードの得点力と終盤のシュート創出には不安が残る。ヤニスとバムを並べた際のスペーシングも、実際に試合が始まるまで分からない。
守備力は20点。
ヤニスとバムを中心に、ウィギンズやミッチェルまでそろう。さらにスポールストラHCが相手に合わせて守備を組み替えられることを考え、満点とした。
選手層は17点。
ポーティスやヨビッチなどフロントコートには選択肢がある。一方、ヘロ、ハケス、ウェアを同時に失った影響は無視できない。特にバックコートの得点力には厚みが足りない。
リバウンドは19点。
昨季の時点で平均46.3本のリーグ4位。そこへヤニスとポーティスが加わるため、大きな強みになると考えた。
継続性・完成度は16点。
バム、ウィギンズ、スポールストラHCを中心とした土台は残っているが、ヤニスを中心とする攻撃は新しく作り直す必要がある。主力の入れ替わりも大きいため、開幕直後から完成しているとは限らない。
それでも総合90点は、優勝候補として見る点数だ。
2026-27シーズンは東地区1位と予想
私は、ヒートを東地区1位と予想する。
最大の理由は、ヤニスとバムを中心とした守備とリバウンドだ。
レギュラーシーズンでは、攻撃がうまくいかない試合でも守備とリバウンドによって勝てるチームのほうが安定しやすい。
さらにスポールストラHCがいる。
ヤニスとバムの使い方を開幕から完成させる必要はない。82試合を使いながら組み合わせを試し、プレーオフまでに勝てる形を作れる。
ただし、東1位を確実視しているわけではない。
ヤニスが再び長期離脱すれば、順位は大きく下がる。
外からのシュートが入らず、ヤニスとバムのいるペイントが狭くなれば、ハーフコートの攻撃も止まる可能性がある。
東1位予想は、ヤニスがある程度の試合数に出場し、周囲の選手が外からシュートを決めることが前提になる。
プレーオフはNBAファイナル進出と予想
プレーオフでは、NBAファイナル進出と予想する。
東にはキャバリアーズ、ニックス、76ers、セルティックスなど、ヒートを倒せる可能性を持つチームがいる。
特にキャバリアーズには、ドノバン・ミッチェルとジェームズ・ハーデンという複数のクリエイターがいる。ハーフコートの得点力では、ヒート以上になる可能性もある。
ニックスには前回王者としての完成度と、プレーオフを勝ち抜いた経験がある。
そのため、東1位だから簡単にファイナルへ進めるとは考えていない。
それでも、短期決戦でスポールストラHCがヤニスとバムを使えることは大きい。
相手のエースを守る選択肢があり、シリーズごとに守備を変えられる。
最後に問題になるのは、接戦の終盤だ。
相手がヤニスのドライブを止め、フリースローを選ばせたときにどうするのか。
ヤニス以外の誰がボールを持ち、シュートを決めるのか。
そこまで答えを作れれば、ヒートには優勝する可能性もある。
ただし現時点では、西の上位チームまで倒して優勝すると断定するには、攻撃面の不明点が多い。
そのため、予想はNBAファイナル進出までとした。
まとめ|東1位の力はある。優勝には攻撃の答えが必要
現在のヒートには、ヤニスの突破力、バムの万能な守備、ウィギンズの攻守、ポーティスのエネルギー、スポールストラHCの戦術がある。
特に守備とリバウンドでは、東地区で最も強いチームになる可能性がある。
一方で、ヘロ、ハケス、ウェアを失った影響は小さくない。
ガードの得点力、ヤニスとバムを並べた際のスペーシング、接戦終盤の攻撃、ヤニスの健康状態。
優勝するためには、これらの不安へ答えを出す必要がある。
ヤニスを獲得したから強いのではない。
ヤニスとバムを、勝てる形で使えたときに初めて強くなる。
私の予想は東地区1位、NBAファイナル進出。
スポールストラHCが、この大きな補強をどのようなチームへ仕上げるのか。
今季のヒートは、東地区で最も注目したいチームだ。


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