2024年、ボストン・セルティックスはジェイソン・テイタムとジェイレン・ブラウンを中心にNBAチャンピオンとなった。
この二人なら、一度だけではなく、何度も優勝できる。
セルティックスを応援する私も、そう期待していた。
しかし、2026年のオフにセルティックスは大きな決断を下した。
ブラウンをフィラデルフィア・76ersへ放出し、ポール・ジョージと複数のドラフト指名権を獲得したのである。
さらに、マイク・コンリーとミッチェル・ロビンソンを加え、ニコラ・ブーチェビッチはオーランド・マジックへ移籍した。
これは、昨季の戦力をそのまま維持して優勝へ再挑戦するための補強ではない。
戦力を残しながら、サラリーと将来の選択肢を整理するための再編だと考えた方が自然だろう。
私はフロントの事情も理解できる。
それでも個人的には、もう一度タムタムとJBが並んで優勝する姿を見たかった。
※この記事は2026年8月4日時点で確認できた情報をもとにしています。
※順位や評価点には、私個人の予想が含まれています。
2025-26シーズンのセルティックス
まず、昨季の基本成績を確認しておきたい。
| 項目 | 2025-26シーズン |
|---|---|
| レギュラーシーズン | 56勝26敗 |
| イースト順位 | 2位 |
| 平均得点 | 114.9点(NBA19位) |
| 平均リバウンド | 46.4本(NBA3位) |
| 平均アシスト | 24.6本(NBA27位) |
| 平均失点 | 107.2点(NBA1位) |
| プレーオフ | 3勝4敗 |
| 最終結果 | 1回戦敗退 |
ジェイソン・テイタムが右アキレス腱断裂からのリハビリによって長期離脱するなかでも、チームは大きく崩れなかった。
平均得点と平均アシストはリーグ下位だった一方、平均失点はNBA1位、平均リバウンドも3位だった。
攻撃面には課題が残ったが、守備とリバウンドによって勝利を重ねたシーズンだったと言える。
テイタムは2026年3月6日に復帰。復帰戦で15得点、12リバウンド、7アシストを記録し、その後もプレーオフへ向けて状態を上げていった。
しかし、プレーオフ1回戦では76ersに対して3勝1敗と先行しながら、そこから3連敗。第7戦を落としてシーズンを終えた。
東2位まで勝ち上がった組織力は評価できる。
その一方で、プレーオフでシリーズを終わらせる力が足りなかったことも事実だ。
なぜジェイレン・ブラウンを放出したのか
今回のトレードを考えるとき、セカンドエプロンの存在は避けて通れない。
NBAでは高額なサラリーを抱えるチームに対して、単に追加の税金を課すだけでなく、補強手段やトレードの自由を制限する仕組みが導入されている。
テイタムとブラウンは、セルティックスを優勝へ導いた中心選手だ。
しかし、二人の契約を維持しながら、その周囲に十分な戦力をそろえ続けることは難しくなっていた。
ブラッド・スティーブンスは、テイタムとブラウンの二人だけでサラリーキャップの約70%を占め、ボール使用率も二人へ大きく集中する状況について、今後の道が難しくなると説明している。
ただし、
セカンドエプロンがあるから、ブラウンを放出するしかなかった
と単純に考えるべきではない。
支出と契約を整理する必要があったことと、その対象としてブラウンを選んだことは別の判断だからだ。
セルティックスは、テイタムを中心に残し、ブラウンとの時代を終わらせる道を選んだ。
この決断が正しかったかどうかは、今の段階では分からない。
ポール・ジョージが活躍するだけでも十分ではない。
獲得した指名権や将来の柔軟性を使い、セルティックスが次の優勝チームを作れるかまで見なければ、トレードの最終評価はできないと思う。
ポール・ジョージは「つなぎ」でも活躍が必要
ブラウンとのトレードで加入したポール・ジョージには、契約期間を短くし、将来動きやすくする意味もある。
そのため、次の優勝チームが完成するまでの「つなぎ」と見ることもできる。
しかし、つなぎだから活躍しなくてもよいわけではない。
NBAは結果を残せなければ、次の機会が簡単には与えられない世界だ。
ポール・ジョージが機能しなければ、セルティックスは今季の競争力を失う。それだけでなく、将来トレードを行う際の選択肢も狭くなる可能性がある。
故障の多さは明確な不安材料だ。
NBA公式の記事によると、ジョージが2019年以降に50試合以上出場したのは3シーズンだけである。
一方で、健康であれば、
- 自分で得点を作る
- 3ポイントシュートを決める
- ボールを持たない時間にも動く
- 複数のポジションを守る
- テイタムを補助する
といった役割を担える力は残っている。
ブラウンの完全な代役になる必要はない。
テイタム、デリック・ホワイト、周囲の選手と役割を分けながら、勝利に貢献できるかが重要になる。
最も重要なのは、テイタムが健康に動けること
今季のセルティックスを考えるうえで、最大の前提はテイタムの健康だ。
ただ試合へ出場できればよいわけではない。
健康な状態で動き、エースとして勝利に貢献する必要がある。
アキレス腱断裂後の状態を、平均得点だけで判断するのも危険だと思う。
確認したいのは、
- 連戦をこなせるか
- ドライブの最初の一歩が戻っているか
- 横方向の動きに対応できるか
- 守備で相手の主力を受け持てるか
- 第4クォーターに自分で得点を作れるか
- プレーオフの強度で動き続けられるか
といった部分だ。
昨季の復帰によって、再び高いレベルでプレーできることは示した。
2026-27シーズンは、復帰できるかを確認するシーズンではない。
健康な状態を維持しながら、再びセルティックスを勝たせられるかを確認するシーズンになる。
デリック・ホワイトが組織力をつなぐ
ブラウンが抜けた今季、デリック・ホワイトの重要性はさらに増す。
ホワイトは得点だけでなく、ゲームメイク、3ポイント、守備、状況判断によってチームを支えられる。
テイタムやポール・ジョージがボールを持つ場面でも、自分の役割を失いにくい。
反対に、二人が欠場したときには、攻撃を動かす役割も求められる。
ブラウン放出後もセルティックスらしいバスケットを維持できるか。
その中心にいるのは、テイタムだけではなくホワイトだと思う。
個々の能力だけを比較すれば、昨季より戦力が下がったと見ることもできる。
それでも、長く積み重ねてきた守備、ボールムーブ、役割への理解まで一度に消えるわけではない。
セルティックスが上位シードを倒せると予想する理由は、健康なテイタムと、この組織力が残っていることだ。
ミッチェル・ロビンソンは勝負どころで使えるか
インサイドでは、ミッチェル・ロビンソンの加入が大きい。
ロビンソンには、
- オフェンスリバウンド
- リムプロテクト
- スクリーン
- ロブへの合わせ
- ゴール下でのフィニッシュ
が期待できる。
セルティックスは昨季、平均リバウンドでNBA3位だった。
その強みを維持するうえでも、ロビンソンの存在は重要になる。
ただし、評価すべきなのは出場試合数や平均リバウンドだけではない。
プレーオフの終盤、大事な場面でコートに立てるか。
相手にフリースローやスペーシングを狙われても使い続けられるか。
そして、勝負どころでリバウンドやブロックによって流れを変えられるか。
健康状態を含めて不確実性はあるが、大事な場面で奮起できれば、セルティックスに不足していたインサイドの迫力を与えられる。
若手は「将来のため」だけでは足りない
セルティックスは、ニーミアス・クエタと再契約し、ジョーダン・ウォルシュとも契約延長を結んだ。
これは将来だけを見た動きではない。
テイタム、ポール・ジョージ、ホワイトなどの主力だけで82試合を戦い抜くことは難しい。
主力の負担を抑えながら順位を維持するには、若手がレギュラーシーズンから戦力にならなければならない。
若手の役割は、将来性を見せることだけではない。
今季の勝利に参加しながら、次の優勝チームに残れる選手であることを証明する必要がある。
誰が主力へついてこられるのか。
今季は、その見極めのシーズンでもある。
セルティックスの2026-27開幕前評価

| 評価項目 | 得点 |
|---|---|
| 攻撃力 | 16/20 |
| 守備力 | 17/20 |
| 選手層 | 14/20 |
| リバウンド | 16/20 |
| 継続性・完成度 | 15/20 |
| 合計 | 78/100 |
守備力は17点とした。
昨季の平均失点はNBA1位であり、ブラウンが抜けても、テイタム、ホワイト、ポール・ジョージを中心に高い守備力を維持できる可能性がある。
一方、選手層は14点にとどめた。
主力の実力は高いが、故障歴のある選手も多く、若手がどこまで戦力になれるかも分からない。
継続性・完成度も15点とした。
セルティックスとしての組織力は残っているが、ブラウン放出後の新しい役割分担が、すぐに完成するとは限らない。
78点は、優勝候補の本命ではないが、再編初年度でも上位チームを倒せる可能性があるという評価だ。
レギュラーシーズンは東5位と予想
私の予想は、イースタン・カンファレンス5位だ。
昨季の東2位から順位を落とすと考える理由は、単純な戦力低下だけではない。
- テイタムの出場時間を管理する必要がある
- ポール・ジョージとロビンソンの健康に不安がある
- 新加入選手を組織へ組み込む時間が必要
- 若手を試しながら戦う可能性がある
- フロントは今季だけでなく、来季以降も見ている
こうした事情を考えると、レギュラーシーズンから上位を追い続けるより、主力の健康を維持しながらプレーオフへ入ることを優先する可能性がある。
東5位なら、1回戦では第4シードとの対戦になる。
簡単な組み合わせではない。
それでも、テイタムが健康に動き、セルティックスの組織力が維持されていれば、上位シードを倒す可能性はあると思う。
合格ラインはプレーオフ2回戦進出
今季の合格ラインは、プレーオフ2回戦進出としたい。
優勝経験のあるセルティックスとしては、低い目標に見えるかもしれない。
しかし、今季はブラウン放出後の最初のシーズンであり、テイタムの健康状態を確認しながら、次の優勝チームを作り始める年でもある。
1回戦を突破したうえで、
- テイタムが健康にシーズンを終える
- ポール・ジョージが勝利へ貢献する
- ホワイトが組織の中心として機能する
- ロビンソンが勝負どころで力を発揮する
- 若手から今後も残せる戦力が現れる
ここまで確認できれば、来季以降につながるシーズンになる。
反対に、主力の故障が重なり、若手も伸びなければ、プレーイン圏まで落ちる可能性も否定できない。
まとめ|これは解体ではなく、次の優勝へ向けた再編なのか
私は今でも、タムタムとJBが並んでもう一度優勝する姿を見たかったと思っている。
フロントの事情を理解することと、ファンとして寂しく感じることは両立する。
今回のブラウン放出が、越えてはいけない一線だったのか。
それとも、次の優勝へ進むために必要な決断だったのか。
その答えは、今季だけでは出ないだろう。
セルティックスは、今季の優勝だけでなく、2027-28、2028-29シーズンも見据えて動いているように見える。
だからといって、今季を捨ててよいわけではない。
ポール・ジョージが活躍し、ロビンソンがインサイドを支え、若手が主力についていく。そして、健康なテイタムと残された組織力によってプレーオフを勝ち進む。
それが、再編初年度に求めたい姿だ。
総合評価は78点。
レギュラーシーズンは東5位予想。
合格ラインはプレーオフ2回戦進出。
優勝候補の本命とは言いにくい。
それでも、健康なテイタムとセルティックスの組織力が残っている限り、上位チームにとって簡単な相手にはならないと思う。


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