2025-26シーズン、オクラホマシティ・サンダーは64勝18敗でWEST1位となった。
平均得点119.0はリーグ5位、平均失点107.9はリーグ2位。攻守の両方で高い完成度を示し、前年王者として再び優勝を狙えるだけの成績を残した。
しかし、WEST決勝でサンアントニオ・スパーズに敗れ、連覇には届かなかった。
しかも、スパーズにはプレーオフで初めて苦しめられたわけではない。
レギュラーシーズンでも1勝3敗。NBAカップ準決勝を含めると1勝4敗だった。
私は現在も、サンダーがNBAで最も強いチームだと思っている。
ただし、最も強いチームが必ず優勝できるわけではない。
サンダーが王座へ戻るためには、レギュラーシーズンから苦しめられてきたスパーズに対する解答を示す必要がある。
※この記事は2026年8月3日時点で確認できた情報を基にしています。
※順位予想と開幕前評価は、筆者個人の見解です。
2025-26シーズンのサンダー
| 項目 | 成績 |
|---|---|
| 勝敗 | 64勝18敗 |
| WEST順位 | 1位 |
| 平均得点 | 119.0 |
| 平均リバウンド | 44.1 |
| 平均アシスト | 25.8 |
| 平均失点 | 107.9 |
| プレーオフ | WEST決勝敗退 |
64勝という数字だけを見ても、サンダーが優勝候補だったことに疑いはない。
シェイ・ギルジャス=アレクサンダーを中心に、チェット・ホルムグレン、ジェイレン・ウィリアムズ、アイザイア・ハーテンシュタイン、アレックス・カルーソ、ケイソン・ウォレスらがそろっていた。
若さ、守備力、選手層、将来性のすべてを持つチームだった。
一方で、シーズン終盤には負傷の影響もあった。
WEST決勝第7戦では、ジェイレン・ウィリアムズが左ハムストリング、エイジェイ・ミッチェルが右ヒラメ筋の負傷で欠場している。
特にジェイレン・ウィリアムズは、レギュラーシーズンでも手首やハムストリングの問題によって49試合を欠場した。
エイジェイ・ミッチェルは、ジェイレン・ウィリアムズが欠場したプレーオフの6試合で平均21.2得点を記録していた。
その二人を第7戦で欠いた影響は小さくない。
スパーズに敗れた原因を、ホルムグレン一人へ押しつけるのは違うと思う。
ホルムグレンが悪かったとは思わない
ホルムグレンは、2026年のプレーオフ15試合で224得点、123リバウンドを記録した。
1試合平均にすると、
- 14.9得点
- 8.2リバウンド
- 1.5ブロック
- フィールドゴール成功率56.8%
となる。
数字だけを見れば、決して悪いプレーオフではない。
しかし、サンダーが再び優勝するためには、「悪くなかった」だけでは足りないとも思う。
シェイが相手の守備に徹底的に警戒されるプレーオフでは、ホルムグレンがもっと自分から攻撃を引き受けてもいい。
3ポイントラインの外で待つだけではなく、ドライブ、ポストプレー、オフェンスリバウンドなどを使い、相手のビッグマンにも守備で体力を使わせる必要がある。
特にスパーズとの対戦では、ウェンバンヤマに守られる側で終わってはいけない。
ウェンバンヤマに止められないことだけではなく、ウェンバンヤマにも守らせる。
ホルムグレンが攻撃で積極性を増せば、サンダーの対スパーズ戦は変わる可能性がある。
ジェイレン・ウィリアムズの成長も欠かせない
サンダーには、シェイという明確なエースがいる。
それでも、プレーオフをシェイ一人の得点力だけで勝ち抜くことは難しい。
相手は同じチームと最大7試合を戦いながら、シェイの得意な場所、ボールを受ける位置、ドライブの方向まで対策してくる。
そのときに重要になるのが、ジェイレン・ウィリアムズだ。
2025-26シーズンは負傷によって33試合の出場にとどまったが、平均17.6得点、4.6リバウンド、5.5アシストを記録した。
得点だけでなく、ボールを運び、周囲を生かし、複数のポジションを守れる。
サンダーが完成度をさらに上げるためには、ジェイレン・ウィリアムズが安定して第2の攻撃役を担えるかが重要になる。
ホルムグレンが攻撃でより積極的になり、そのうえでジェイレン・ウィリアムズが健康な状態で成長する。
この二つが実現すれば、シェイにかかる負担はかなり小さくなる。
最大の課題はスパーズを乗り越えること
サンダーは2025-26シーズン、スパーズとのレギュラーシーズン対戦で1勝3敗だった。
NBAカップ準決勝を含めると1勝4敗となる。
| 日付・大会 | サンダーの結果 |
|---|---|
| NBAカップ準決勝 | 109-111で敗戦 |
| 2025年12月23日 | 110-130で敗戦 |
| 2025年12月25日 | 102-117で敗戦 |
| 2026年1月13日 | 119-98で勝利 |
| 2026年2月4日 | 106-116で敗戦 |
ただし、2月4日の試合ではシェイを含む通常の先発陣が全員欠場し、サンダーは8人しか出場できる選手がいなかった。
したがって、この1勝4敗だけで「サンダーはスパーズより明確に弱い」と断定することはできない。
それでも、主力が出場した試合でも3連敗している。
さらにWEST決勝でも、第7戦まで戦った末にスパーズへ敗れた。
偶然の一敗として片づけるには、サンダーはスパーズに繰り返し苦しめられている。
リーグ全体を相手にすれば、私は今もサンダーが最も強いと思う。
しかし、優勝するためには、すべてのチームに平均して強いだけでは足りない。
プレーオフで待っている特定の相手を倒さなければならない。
2026-27シーズンのサンダーにとって、その相手はスパーズになる可能性が高い。
ウェンバンヤマをどう抑えるのか
対スパーズ戦で最大の問題になるのは、ウェンバンヤマをどう抑えるかだと思う。
ただし、これはウェンバンヤマの得点だけを減らせば解決する問題ではない。
ウェンバンヤマはゴール下だけでプレーする従来型のセンターではない。
外からシュートを打つことができ、ハンドリングも悪くない。ボールを持って横方向へ動き、ドリブルから自分でシュートまで持っていける。
身体を当ててゴールから遠ざけるだけでは弱い。
むしろ、距離を取らせることで助走とスペースを与えてしまう可能性もある。
ウェンバンヤマを守る選手には、
- 横方向の動きへ対応するフットワーク
- 最初の一歩で抜かれない守備位置
- 3ポイントとドライブの両方へ対応する間合い
- スクリーン後の受け渡し
- 周囲のヘルプと連動する判断力
が必要になる。
しかし、これをハーテンシュタインやホルムグレン一人の仕事にすることはできない。
一人が横の動きに遅れれば、別の選手がヘルプへ入る必要がある。
ヘルプが早すぎれば、フォックス、キャッスル、ヴァッセル、ハーパーたちへスペースを与える。
ウェンバンヤマを守れる一人を作るのではなく、ウェンバンヤマの影響を5人で小さくする。
サンダーに必要なのは、そのようなチーム守備だと思う。
おそらく、選手も首脳陣も課題自体は理解している。
問題は、課題が見えているかではない。
48分間、そして最大7試合のシリーズを通して、その解答を実行し続けられるかだ。
ハーテンシュタインとの契約延長が示すもの
サンダーは、ハーテンシュタインとの契約を2028-29シーズンまで延長した。
報道では、3年間で7500万ドルの新契約とされている。
ハーテンシュタインは28歳であり、年齢的にも急激な衰えを心配する段階ではない。
サンダーのシステムへの理解を深め、ホルムグレンとの使い分けや同時起用の完成度を上げる余地も残っている。
もちろん、サンダーが「ウェンバンヤマ対策として契約を延長した」と公式に説明した事実は確認できない。
そのため、対スパーズ戦だけを目的とした契約だと断定することはできない。
それでも、今後WESTを勝ち抜くうえでスパーズが大きな壁になると考えれば、この契約には重要な意味があるように見える。
ハーテンシュタイン一人にウェンバンヤマを止めさせるためではない。
彼のサイズと強さを軸に、ホルムグレンや周囲の選手を連動させる。
ツービッグを使える選択肢を残し、リバウンドを確保し、相手のサイズへ対応する。
見えている課題へチーム全体で解答を作るために、必要な選手を残した。
私は、ハーテンシュタインとの契約延長を、そのようにも見ている。
選手層は厚いが、失った戦力も小さくない
サンダーは今オフ、ハーテンシュタインを残した一方で、ルーゲンツ・ドート、アイザイア・ジョー、アーロン・ウィギンズがチームを離れた。
特にドートは相手の中心選手を守れる重要なディフェンダーだった。
ジョーは2025-26シーズンに3ポイント成功率42.3%を記録し、ウィギンズもベンチから平均9.4得点を残している。
サンダーの選手層は現在も厚い。
ケイソン・ウォレス、エイジェイ・ミッチェル、ジャレッド・マケイン、ニコラ・トピッチらには、出場時間と役割を増やせる可能性がある。
それでも、昨季の選手層がそのまま残ったわけではない。
若手の成長によって穴を埋められるのか。
特にドートが担っていた守備を、誰がどのように引き継ぐのか。
ここは2026-27シーズンを判断するうえで見逃せない点になる。
サンダーの2026-27開幕前評価

| 評価項目 | 得点 |
|---|---|
| 攻撃力 | 19/20 |
| 守備力 | 19/20 |
| 選手層 | 19/20 |
| リバウンド・サイズ | 17/20 |
| 継続性・完成度 | 18/20 |
| 合計 | 92/100 |
攻撃力と守備力は、どちらもリーグ最高水準にある。
主力だけでなく、若手にも成長の余地があるため、選手層も高く評価した。
一方、リバウンド・サイズは17点とした。
リーグ全体を相手に戦えないという意味ではない。
最大の競争相手になり得るスパーズに対し、ウェンバンヤマを中心としたサイズと機動力への安定した解答をまだ示せていないためだ。
継続性・完成度も非常に高いが、ドート、ジョー、ウィギンズの退団によってローテーションの再構築が必要になる。
私の開幕前評価は92点。
レギュラーシーズンの順位予想は、WEST1位とする。
合格ラインは優勝
サンダーの合格ラインは優勝だと思う。
カンファレンス決勝進出でも、NBAファイナル進出でもない。
64勝してWEST1位になったチームが、もう一度レギュラーシーズンで好成績を残しただけでは、成功とは評価しにくい。
これはサンダーへの評価が厳しいからではない。
それだけの戦力を持っているからだ。
ただし、プレーオフはレギュラーシーズンとは違う。
同じ相手と連戦し、対策された部分へすぐに対応しなければならない。
サンダーがリーグで最も強いチームだったとしても、スパーズを突破できなければ王座には戻れない可能性がある。
まとめ|最強であることを、優勝で証明できるか
私は今も、サンダーがNBAで最も強いチームだと思っている。
シェイというエースがいる。
ホルムグレンとジェイレン・ウィリアムズには、さらに成長できる余地がある。
ハーテンシュタインも残った。
若手と将来の資産もあり、一度の敗戦によって優勝争いから後退するようなチームではない。
しかし、2025-26シーズンには明確な壁も見えた。
それがスパーズであり、ウェンバンヤマだ。
ウェンバンヤマの得点だけを抑えるのではない。
外からのシュート、ハンドリング、横方向への動き、守備範囲、リバウンドまで含めた影響力を、チーム全体で小さくしなければならない。
その課題は、おそらくサンダー自身も理解している。
だからこそ、2026-27シーズンに問われるのは、問題を発見できるかではない。
分かっている問題に対して、シーズンを通して解答を作り、プレーオフで実行できるか。
サンダーは再びWEST1位になれると思う。
しかし、本当の評価が決まるのはその先だ。
スパーズを越え、再びNBA王者になったとき、サンダーは最強であることを結果でも証明できる。


コメント