2025-26シーズンのミネソタ・ティンバーウルブズは、49勝33敗でウェスタン・カンファレンス6位だった。
プレーオフでは、1回戦でデンバー・ナゲッツを4勝2敗で破ったものの、カンファレンス準決勝でサンアントニオ・スパーズに2勝4敗で敗退した。
優勝には届かなかったが、アンソニー・エドワーズがチームの中心として戦う姿には、以前とは違う頼もしさを感じた。
単純に得点を取るだけではない。
苦しい場面でも自分が前に立ち、チーム全体に「この選手についていけばいい」と思わせる空気を作れるようになってきた。
そして今季は、そのエドワーズの隣にラメロ・ボールが加わる。
一方で、ジュリアス・ランドルとナズ・リードがチームを離れた。バックコートの攻撃力は上がったが、フロントコートの厚みは明らかに減っている。
今回は、新しくなったウルブズの戦力を5項目で評価し、2026-27シーズンを予想したい。
※この記事は2026年8月5日時点の情報をもとにしています。
2025-26シーズンの成績
| 項目 | 成績 |
|---|---|
| 勝敗 | 49勝33敗 |
| ウェスト順位 | 6位 |
| 平均得点 | 118.0 |
| 平均リバウンド | 44.1 |
| 平均アシスト | 26.1 |
| 平均失点 | 114.6 |
| プレーオフ1回戦 | ナゲッツに4勝2敗 |
| ウェスト準決勝 | スパーズに2勝4敗 |
平均得点はリーグ7位、平均リバウンドは13位、平均アシストは16位だった。
エドワーズはレギュラーシーズンに平均28.8得点を記録。数字のうえでも、チームのエースであることを証明した。
ただし、今季は昨季と同じチームではない。
ラメロを獲得した一方で、ランドルとナズ・リードが退団した。大きな変化が起きたのは、ポイントガードだけではなく、チーム全体のサイズと役割のバランスである。
エドワーズは「頼れるエース」になりつつある
エドワーズの能力が高いことは、以前から分かっていた。
しかし、昨季のプレーオフでは、能力の高さだけではなく、エースとしてチームを引っ張る空気が見えるようになったと思う。
自分が得点を取るだけではない。
守備でも前に出て、重要な時間帯ではボールを要求し、チームが苦しいときにも逃げない。
ナゲッツを倒したことも大きい。
ニコラ・ヨキッチを擅する優勝経験のあるチームを相手にシリーズを勝ち切った経験は、エドワーズにとっても、ウルブズ全体にとっても自信になる。
まだ完成された選手ではない。
プレーオフでは相手の守備がエドワーズへ集中するため、無理なシュートやターンオーバーを減らし、周囲を生かす判断力も必要になる。
それでも、チームの顔として戦える雰囲気はできてきた。
今季のウルブズは、明確にエドワーズのチームである。
ラメロ加入でオフェンスの天井は上がった
ウルブズは、ナズ・リードと複数のドラフト指名権を放出し、ラメロ・ボールとジョシュ・グリーンを獲得した。
ラメロは昨季、平均20.1得点を記録。リーグ2位となる272本の3ポイントシュートを成功させた。
最大の魅力は、シュートだけではない。
サイズのあるポイントガードとして、速い展開から味方へパスを出し、自分でも得点できる。これまでエドワーズに集中していたボール運びとチャンスメークの負担を減らせる選手だ。
エドワーズとラメロが同時にコートへ立てば、相手はどちらか一人だけに守備を集中させることが難しくなる。
エドワーズがボールを持って攻める。
ラメロがゲームを作る。
ゴベアがスクリーンをかけ、マクダニエルズやディビンチェンゾが外から狙う。
この形が機能すれば、ウルブズのオフェンスはリーグ上位へ入る可能性がある。
ただし、ラメロには健康面の不安がある。
昨季は72試合に出場したが、それ以前の3シーズンでは合計141試合を欠場した。ラメロが長期間離脱すれば、エドワーズの負担が再び大きくなってしまう。
ラメロが健康でシーズンを戦えることが、ウルブズの上位進出に欠かせない条件になる。
守備の中心はゴベアとマクダニエルズ
ウルブズの守備には、今季もルディ・ゴベアとジェイデン・マクダニエルズがいる。
ゴベアはゴール下を守り、マクダニエルズは相手のエース級ウイングへ対応できる。
さらにエドワーズやアヨ・ドスンムも、強度を上げれば守備で貢献できる選手だ。
そのため、守備の土台そのものが崩れたとは考えていない。
問題は、ゴベアがゴール下から動かされたときである。
例えばヨキッチのように、外側からパスやシュートで攻撃を組み立てられるセンターと対戦すると、ゴベアはペイントの外まで引き出される。
ゴベアがヨキッチに釣り出された瞬間、ウルブズのゴール下が空く。
昨季までなら、ランドルやナズ・リードが弱いサイドからリバウンドへ入り、身体を張ることができた。
しかし、今季はその2人がいない。
ゴベアが守備の中心であることは変わらないが、そのゴベアが動かされたあとの穴を誰が埋めるのかは決まっていない。
ゴベア個人の守備力ではなく、ゴベアの後ろを支えるフロントコートの厚みが問題なのだと思う。
ランドルとナズ・リードを同時に失った影響
ランドルは昨季、平均21.1得点、6.7リバウンド、5.0アシストを記録した。
ナズ・リードも平均13.6得点、6.2リバウンド。ベンチから得点とサイズを提供できる重要な選手だった。
この2人が同時に抜けた影響は小さくない。
ラメロの加入によって、得点力やゲームメークは補える。
しかし、ランドルとナズ・リードが担っていたリバウンド、身体を張る役割、ゴベアの隣でプレーできるサイズまで、そのまま補えるわけではない。
現在のロスターでは、マクダニエルズをパワーフォワードとして起用する可能性がある。
マクダニエルズは守備範囲の広い選手だが、重量のあるパワーフォワードやセンターを相手に、毎試合ゴール下で押し合うタイプではない。
ゴベアがベンチへ下がった時間帯の守備とリバウンドも課題になる。
バックコートは豪華になった。
その代わり、フロントコートには明確な不安が残った。
これが今季のウルブズを評価するうえで、最も難しい部分だと思う。
選手層は人数よりも役割の偏りが気になる
ラメロ、エドワーズ、ドスンム、ディビンチェンゾ、ジョシュ・グリーンと、ガードからウイングには多くの選択肢がある。
誰か一人の調子が悪くても、別の選手を起用できる。
一方で、フロントコートの選択肢は限られている。
ゴベアの代わりにリムを守る選手。
ランドルのように身体を当てながら得点できる選手。
ナズ・リードのように、サイズと外のシュートを両立できる選手。
こうした役割を、そのまま代替できる選手はいない。
選手の人数が少ないわけではない。
しかし、ロスターの強みがバックコートへ偏っている。
長いレギュラーシーズンでは対応できても、同じ相手と何度も戦うプレーオフでは、この偏りを狙われる可能性がある。
ティンバーウルブズの2026-27開幕前評価

| 評価項目 | 点数 |
|---|---|
| 攻撃力 | 19/20 |
| 守備力 | 18/20 |
| 選手層 | 16/20 |
| リバウンド | 16/20 |
| 継続性・完成度 | 16/20 |
| 総合評価 | 85/100 |
攻撃力は19点とした。
エドワーズとラメロの2人が健康なら、どちらか一人にボールを集めなくても攻撃を作れる。ラメロのパスによって速攻やゴベアへのロブも増える可能性があり、オフェンスの天井は非常に高い。
守備力は18点。
ゴベアとマクダニエルズがいる以上、守備の中心は強い。ただし、ゴベアが外へ引き出されたときのゴール下や、サイズのある相手への対応には不安が残る。
選手層とリバウンドは16点。
ガードとウイングの層は厚いが、ランドルとナズ・リードを失ったフロントコートは薄くなった。特に、ゴベアが守備で動かされた場面のリバウンドを誰が取るのかは大きな課題になる。
継続性・完成度も16点とした。
エドワーズ、ゴベア、マクダニエルズを中心とした守備の形は残っている。一方で、ラメロを加えた新しいオフェンスを作りながら、ランドルとナズ・リードが抜けた部分も埋めなければならない。
ラメロが健康で、新しい役割分担が早く定着すれば、85点以上の力を発揮できる。
しかし、主力の離脱やインサイドの弱点が表面化すれば、評価は大きく下がる可能性もある。
レギュラーシーズンはウェスト4位予想
私の予想は、ウェスタン・カンファレンス4位である。
ラメロが健康なら、レギュラーシーズンで大きく勝ち星を伸ばす可能性がある。
エドワーズだけに頼らず試合を組み立てられるため、エースの負担を抑えながら長いシーズンを戦えるからだ。
ただし、ナゲッツとの差は非常に小さい。
ナゲッツにはヨキッチを中心とした完成された攻撃があり、ウルブズのインサイドの弱点を直接突ける。
ウルブズは守備力と若さで対抗できるが、ランドルとナズ・リードを失った影響まで考えると、現時点ではナゲッツをわずかに上へ置きたい。
プレーオフは1回戦敗退予想
レギュラーシーズンではウェスト4位と予想するが、プレーオフは1回戦敗退と予想する。
これはウルブズが弱いという意味ではない。
現在のウェストでは、4位と5位の対戦でも優勝候補同士のような組み合わせになる可能性がある。
ウルブズはエドワーズとラメロの力で得点を取れる。
しかし、7試合制ではゴベアを外へ引き出し、空いたゴール下を攻める形を繰り返される可能性がある。
ランドルとナズ・リードがいない今季は、その弱点を修正する選択肢が昨季より少ない。
ラメロの健康状態も含め、レギュラーシーズンを通して新しいチームを完成させられるかが重要になる。
攻守がかみ合えば、カンファレンス決勝まで進んでも不思議ではない。
反対に、インサイドの弱点を突かれ続ければ、上位シードを獲得しても1回戦で敗れる可能性がある。
私は現時点では、後者を予想する。
まとめ|エドワーズとラメロの期待、失ったサイズへの不安
2026-27シーズンのウルブズには、大きな期待と明確な不安がある。
エドワーズは、チームを背負えるエースへ成長しつつある。
ラメロが加わったことで、オフェンスの創造性と得点力も上がった。
ゴベアとマクダニエルズを中心とした守備の土台も残っている。
一方で、ランドルとナズ・リードを同時に失った。
ゴベアが外へ引き出されたとき、誰がゴール下を守り、誰がリバウンドを取るのか。
その答えは、まだ見えていない。
ラメロが健康で、フロントコートの新しい形を作ることができれば、ウェスト上位で戦えるチームだと思う。
ただし、現時点では優勝候補と断定するには、インサイドと選手層に不安が残る。
私の開幕前評価は85点。
レギュラーシーズンはウェスト4位、プレーオフは1回戦敗退と予想する。


コメント