ハーデンは最後のピースになれるか?クリーブランド・キャバリアーズ【2026-27戦力分析】

スポーツ

2025-26シーズンのクリーブランド・キャバリアーズは、52勝30敗で東地区4位に入った。

プレーオフではデトロイト・ピストンズとのカンファレンス準決勝を第7戦の末に突破し、2018年以来となるカンファレンス決勝へ進出した。

しかし、そこで待っていたニューヨーク・ニックスには4連敗。シリーズ平均では得点、リバウンド、アシストのすべてで差をつけられた。

東の上位まで来られることは証明した。それでも、優勝を争うためには何かが足りなかった。

そのキャブスがシーズン途中に獲得したのが、ジェームズ・ハーデンだった。

ドノバン・ミッチェル、ハーデン、エバン・モブリー、ジャレット・アレン。さらにデニス・シュルーダーやキーオン・エリスまでそろった現在のキャブスは、単に名前のある選手を集めたチームではない。それぞれの役割が比較的はっきりしている。

私は、このチームが2026-27シーズンの東地区でかなり上まで行くと見ている。

※この記事は2026年8月7日時点で確認できた情報をもとにしています。
※順位やプレーオフ結果は私個人の予想です。

2025-26シーズンの成績

項目成績
レギュラーシーズン52勝30敗
東地区順位4位
平均得点119.5点
平均リバウンド44.4本
平均アシスト28.3本
平均失点115.4点
プレーオフカンファレンス決勝敗退
最終シリーズニックスに0勝4敗

数字を見ると、キャブスはもともと攻撃力の高いチームだった。

平均119.5得点はリーグ4位、平均28.3アシストは同8位。ミッチェルを中心としながら、複数の選手がボールを動かして得点できる基盤はすでにあった。

一方で、平均失点は115.4点でリーグ15位。モブリーとアレンという強力なインサイドを持つことを考えると、チーム全体の守備には改善の余地が残っていた。

ガーランドからハーデンへ。目的は得点力より攻撃の整理

キャブスはシーズン途中、ダリアス・ガーランドと将来のドラフト2巡目指名権をクリッパーズへ送り、ハーデンを獲得した。

トレード時点のハーデンは、平均25.4得点、8.1アシスト。36歳になっても、自分で点を取りながら味方の得点機会を作れる選手だった。

ただ、キャブスにとって重要なのは、単純にガーランドより多く得点してもらうことではないと思う。

ミッチェルは自分で試合を決められるスコアラーだ。しかし、プレーオフで相手の守備が強くなるほど、毎回ミッチェルがゼロから得点を作る形には限界がある。

ハーデンが攻撃を組み立てれば、ミッチェルはボールを持っていない時間にも動ける。モブリーやアレンには、ピック&ロールからリング付近で得点する機会を与えられる。

ハーデンが得点の主役になる必要はない。

ミッチェルが点を取り、ハーデンが試合を動かす。

この役割分担が成立すれば、キャブスの攻撃は昨季よりも一段上へ進める。

ミッチェルはエースのままでいい

ハーデンが加入しても、このチームの得点面における主役はミッチェルだと思う。

2025-26シーズンは70試合に出場し、平均27.9得点、4.5リバウンド、5.7アシストを記録。オールNBAセカンドチームにも選ばれた。

重要なのは、ハーデンの加入によってミッチェルの立場を下げることではない。ミッチェルが最も危険な場所でボールを受けられるようにすることだ。

ハーデンがゲームメイクを担当し、ミッチェルがフィニッシャーへ寄る時間を増やせれば、終盤まで体力を残しやすくなる。反対にハーデンが下がった時間には、ミッチェルが従来どおり攻撃を引っ張れる。

二人ともボールを長く持てる選手だから、役割が曖昧になる危険はある。ただし、どちらか一人しかいない時間を作れることは、82試合を戦ううえでも大きい。

優勝への鍵は、モブリーが第3のスターになれるか

私がキャブスの上限を決めると考えているのは、ミッチェルでもハーデンでもない。

モブリーだ。

昨季のモブリーは平均18.2得点、9.0リバウンド、3.6アシスト。フィールドゴール成功率は54.6%だった一方、3ポイント成功率は29.7%、フリースロー成功率は60.6%にとどまった。

守備ではすでにチームの中心になれる。問題は、プレーオフで相手に外を捨てられたときだ。

モブリーとアレンを同時に使うと、リング付近の守備とリバウンドは強くなる。その反面、モブリーのシュートが入らなければ、相手はペイントを狭くできる。そうなると、ミッチェルやハーデンのドライブまで難しくなる。

モブリーが平均20得点を超え、外のシュートとフリースローを改善できれば、キャブスには明確な第3のスターが生まれる。

モブリーが守備の中心で終わるのか、攻守を支配するスターへ進むのか。

ここが、キャブスを東の上位チームから優勝チームへ変える境目だと思う。

ニックスに突きつけられたサイズと強度の差

昨季のカンファレンス決勝で、キャブスはニックスに4連敗した。

シリーズ平均はニックスが118.8得点、46.0リバウンド、28.0アシスト。キャブスは99.5得点、36.8リバウンド、20.3アシストだった。

平均得点差は19.3点。僅差の4連敗ではない。

ハーデンが加わったからといって、この差が自動的に消えるわけではない。プレーオフで求められるフィジカル、リバウンド、ハーフコートでの遂行力をチーム全体で上げる必要がある。

その意味で、ハンターを放出してキーオン・エリスとシュルーダーを獲得した動きも興味深い。

エリスは相手の主力ガードを守る役割を担える。ハーデンとミッチェルが並ぶ時間の守備を補う存在として重要になる。

シュルーダーは、ハーデンが休む時間のゲームメイクを担当できる。自分でリングへ向かい、相手のガードへプレッシャーをかけられるため、セカンドユニットの性格も変えられる。

スターだけでなく、スターの弱点を補う選手までそろっている。ここが現在のキャブスの強さだと思う。

ハーデンとシュルーダーにも、報われる機会が来た

ハーデンは歴史的な得点力を持ち、MVPや得点王にも輝いた。それでも、まだ優勝リングを持っていない。

プレーオフでは勝負どころでの失速や消極性を何度も指摘されてきた。だからこそ、キャブスで優勝できれば、キャリアの見え方は大きく変わる。

昔のように一人で大量得点する必要はない。

ミッチェルに得点を任せ、モブリーとアレンを生かし、試合を正しく組み立てる。得点王としてではなく、司令塔として若いチームを頂点へ導くことができれば、ハーデンにとって非常にきれいなキャリアの締め方になる。

シュルーダーも、多くのチームを渡り歩きながら、そのたびに必要な役割を担ってきた選手だ。

二人のベテランが、すでに土台のあるキャブスで最後のピースになる。そう考えると、このチームは戦力だけでなく物語としても面白い。

キャバリアーズの2026-27開幕前評価

評価項目点数
攻撃力19/20
守備力18/20
選手層18/20
リバウンド17/20
継続性・完成度17/20
総合評価89/100

攻撃力は、ミッチェルとハーデンという二人のクリエイターを持つため19点とした。どちらかがベンチに下がっても、常に高いレベルの司令塔またはスコアラーをコートへ残せる。

守備ではモブリーとアレンのインサイドに加え、エリスとシュルーダーがバックコートへ強度を加えられる。選手層も厚く、先発だけで戦うチームではない。

一方、リバウンドは昨季のニックス戦で明確な差を見せつけられたため17点。継続性・完成度も、ハーデンを含めた現在の形で初めて開幕を迎えることから満点にはできない。

それでも総合89点は、優勝候補として見る点数だ。

2026-27シーズンは東地区2位と予想

私は、キャブスを東地区2位と予想する。

1位予想のマイアミ・ヒートには、ヤニス・アデトクンボとバム・アデバヨのフロントコート、そしてエリック・スポールストラという強みがある。守備とサイズで安定して勝ち星を積み上げやすい。

一方、キャブスはハーフコートでの攻撃手段が多い。ミッチェルとハーデンがいるため、試合が止まりやすいプレーオフではヒート以上の回答を持つ可能性もある。

レギュラーシーズンの安定性ではヒートを上に置く。しかし、直接対決のシリーズになれば、その差はほとんどないと思う。

プレーオフはカンファレンス決勝進出と予想

プレーオフは、カンファレンス決勝進出と予想する。

昨季はニックスに完敗した。その事実を考えれば、ハーデンが加わっただけでファイナル進出を断定することはできない。

ただし、優勝まで届く可能性は十分にある。

ミッチェルがエースとして得点し、ハーデンが攻撃を整理し、モブリーが第3のスターへ成長する。この三つが同時に成立すれば、キャブスはヒートやニックスを倒しても不思議ではない。

キャブスにとってハーデンは、優勝へ向かう最後のピースになれるのか。

ハーデンにとってキャブスは、リングを獲得する最後の現実的な機会になるのか。

2026-27シーズンは、その両方を確かめる一年になる。

まとめ|東2位予想でも、目標は優勝でいい

現在のキャブスには、ミッチェルの得点力、ハーデンのゲームメイク、モブリーとアレンのインサイド、エリスの守備、シュルーダーの経験がある。

単にスターが多いだけではない。主力の弱点を補う役割の選手までそろっている。

不安材料は、ハーデンの年齢、ミッチェルとのボール配分、モブリーとアレンを並べた際のスペーシング、そして昨季ニックスに圧倒されたフィジカルとリバウンドだ。

それでも私は、このチームを優勝候補として見たい。

予想は東地区2位、カンファレンス決勝進出。ただし、そこで敗れると決まっているわけではない。

モブリーがもう一段成長し、ハーデンが得点王ではなく司令塔としてチームを完成させられれば、クリーブランドが再びNBAの頂点に立つ未来も十分に考えられる。

参考資料

コメント

タイトルとURLをコピーしました